2013年3月20日水曜日

ボリビア⑰

ウユニ①










面積:約12000km²
標高:3653m

世界最大の塩原。現在塩の採掘量は年間2万トンといわれており、
そのうち18000トンは人間によって消費され、残りは家畜用である。
また世界の50~70%のリチウムが埋蔵されており、現在各国の協力のもと採掘が
進められている。
塩原は驚くほど平ら(塩原全体で1mくらしか標高差がない)で、少し水が張れば
鏡のように空を映し出す。
また平らさから衛星の高度を計測するに最も適した場所である。
 ピンクフラミンゴの主要な生息地でもある。

形成:
海の底だったアンデス山脈が海面から隆起したときにできたのがアルティプラーノ高原。
そのアルティプラーノにはいくつかの真水の湖と塩水の湖を含んでいた。
共に山に囲まれており、外に流れ出る川がなかった。
3~4万年前この地域は巨大な古代湖ミンチン湖Lake Minchin)であった。
ミンチン湖が蒸発したあと約14000年、この地方は干上がっていた。
     ↓
そしてそこに現れたのがタウカ湖(Lago Tauca)だが、
この湖は約1000年ほどで干上がってしまった。
この湖が残したのがポーポ湖ウルウル湖、そして2つの塩原-ウユニ塩原
コイパサ塩原である。アルティプラーノのこの地方の湖は流れ出る川をもっていない。
塩原の塩は山から雨季に流されてきて形成される。

見所:
①魚島(Isla del Pescado
魚の形をしているとこの塩原の中にある島。
丘にのぼるとトリコケレウス属のサボテンと六角形の塩のタイルが一面に見渡せる。
  
②ナグナ・コロラド(Laguna Colorada
面積:60km²
標高:4278m
水深:80cm

ミネラル分を含む水には海草(algae)とプランクトンが豊富な赤色の湖。
湖岸はナトリウム、マグネシウム、ホウ砂、石膏などが豊富である。
そして土砂にはケイ藻植物が豊富で、これらは肥料、絵の具、歯磨き粉、
プラスティック、飛行機の燃料、ビールやワインの生産に利用される。
また南アメリカに生息するすべての種類のフラミンゴが子育てにここを訪れる。
 

2013年3月7日木曜日

ボリビア⑯

ポトシ②










見所:
①ポトシの造幣局(Casa de la Moneda
南アメリカでもっとすばらしい博物館。
最初の造幣局は現在の裁判所の場所に1572年に建設された。
そして副王トレドの時代に現在の1ブロックすべて使った造幣局が
1773年に完成する。そして植民地でのコインの鋳造を行った。
伝説ではスペイン王はこの法案を見たときに、『その建物は銀で作られるべきだ』と
いったといわれている。この造幣局でできたコインには『P』の文字が彫られており、
ポトシスとして知られた。

また造幣局の壁は1mの厚さがある。造幣局は牢獄や要塞としても
利用されたからである。またチャコ戦争の際にはボリビア軍の本部が置かれた。
中庭に入るとバッカスの仮面がかかった中庭が迎えてくれる。この仮面は1865年に
フランス人のユーゲニオ・マルティン・ムーロンがかけたものであるが、
なぜバッカスかは本人しかわかっていない。
  
内部は当時の鋳造用の道具(ラバに引かせた歯車で銀をたたいてコイン用に伸ばす道具
19世以降は蒸気を利用した機械)や祭壇などが展示されている。

展示物の中でも貴重なものは18世紀、ポトシ派の画家によって描かれた
『セロ・リコの聖母マリア(La Virgen del Cerro)』である。
セロ・リコに差し込まれたマリアの戴冠を表している。上部左は聖職者の身なりをした
子なるキリスト、右は雨合羽を着用した父なる神、そして鳥によって擬人化された
精霊の三位一体の聖母戴冠。
またキリストと神のそれぞれ後ろには心臓をもつ大天使ガブリエルと十字架と剣を
もつ大天使ミカエルが描かれ、現世を切り離された別世界を現している。
中断にはインカの神々インティ(太陽)キーリャ(月)も戴冠に参加。
下段現世のさまざまな寓話が描かれ、山が生み出す富に感謝する宗教上の権力者が
描かれている。
左には法皇、枢機卿、司教。右にはスペイン王カルロス1世(神聖ローマ皇帝
カール5世)と12使途の一人サンティアゴと富の提供者。